子どもや若者が介護・世話に追われる「ヤングケアラー」…孤立しがち、進学や就職を断念する場合も(7/1(日,2018) 7:13配信 読売新聞社) 家族の介護や世話をする若者の存在が注目されている。ヤングケアラーとも呼ばれる。孤立しがちで進学や就職を断念する場合もある。彼らが抱える悩みは何か。どんな社会的サポートが必要なのか。(社会保障部・粂文野)祖父母の病気、大学中退も考えて…「大学をやめようかな」――。大阪府の大学4年生のA子さん(23)は1年半前、大学を中退することを考えた。当時、認知症の祖母(84)の介護と、心臓の病気で入院中の祖父(83)の看護に追われていた。
「おじいちゃんにお金を取られた」と言ったり、夜中に朝食の準備を始めたり……。祖母からは目が離せなかった。転倒して入院した時には、病院側の求めで身体拘束の同意書にサインもした。家で祖母の世話をしながら、3か月入院した祖父を病院に見舞った。
授業に出ないで祖父母の世話に専念する日を作った。授業がある日でも、祖母がデイサービスから帰る時間に間に合うよう帰った。いつも祖父母の世話のことで頭がいっぱい。大学の授業の内容も頭に入らなかった。 A子さんは幼い頃に両親が離婚し、母親と祖父母の4人暮らしだった。母親は週6日の仕事で生計を支えていた。そんな母親の代わりに面倒をみてくれたのが、祖父母だった。「恩返ししたい」。そんな気持ちもあって、積極的に祖父母の世話を引き受けた。 ただ、両立の悩みを明かせる仲間は周囲に皆無。「介護のことはわかってもらえない」。友人と話す気力もなかった。