□ご本人の講演に先立つ自己紹介—
我が国では、医療法の改正により、患者の居宅が医療提供の場に加えられて、平成4年(1992年)4月より、在宅医療が本格的にスタートした。その当時は、「病院ではなく、自分の家で最期を迎えたい」という希望を実現するのが在宅医療であったが、今は好むと好まざるとにかかわらず「在宅医療を選択するしか道がない」という時代になった。
▽患者を取り巻く環境は、2000年4月の介護保険制度の成立当時とはすっかり変わってきた。この20年間の間に、我が国の高齢化は急速に進行し、一人暮らしの方が飛躍的に増えた。
(施設・病院死亡者:死亡者の7割、自宅死:2割、独居の在宅死:1割、一人暮らし世帯:31.6%,夫婦のみの世帯:32.9%, 夫婦と子ども世帯:15.0%) 。自宅 でターミナル死を迎えたいという回答:63.1%だが。現実は難しいのが実情。