若年性認知症の当事者による講演会
世界アルツハイマーデー月間である9月に合わせて、様々なイベントが開催されました。神奈川県厚木市では、市の行事として、9月16日にAD当事者のお一人である丹野智文氏が講演されました。38歳の時にアルツハイマー型認知症(AD)と診断されて以来、11年後の今年に至っても、同じ会社で勤務されています。当時の上司や同僚たちの励ましと助力や家族の支援があって今日の自分があるとのこと。ADと診断される前の数年間、日々の出来事に関する物忘れがあり、いつも気になっていたが、自分をなだめつつ、病的な記憶障害ではないと否認しつつ過ごした苦しい思い出を語っておられたのが印象的でした。日々の生活での記憶の欠損を補うために、自宅から会社に着くまでのトラブルを防ぐための留意事項をまとめたノート、会社での記憶トラブルを防ぐための留意事項をまとめた2冊目のノートをいつも持参されているとのことでした。「私は、全てができないのではない、出来ないことがあるときに、回りの人がサポートして貰えると有難い」との言葉は、ご本人の自立・自律度を示す言葉で、印象的でした。
認知症サポーター養成講座
その一週間後(9/26)に、「認知症サポーター養成講座」(講師:志摩宙人氏)がありました。認知症の心身の状態に合わせた対応の仕方について、事例を挟みながら分り易く解説していただき、認知症者をサポートする立場として必要な知識や対処法について詳しく解説いていただきました。とくに道すがら認知症と思われる人に遭遇した時の「声かけのポイント」については、以下のような留意点が挙げられました。①後ろから声をかけない、②できるだけ一人で声をかける、③穏やかにはっきりと話す、④相手の話に耳を傾ける、⑤場合によっては、警察や役場に通報する。講座は、久しぶりの対面式の講座で、40名前後の参加者が出席されました。
•終了時には、認知症サポーター養成講座の受講の印として、オレンジリングを受理しました。