第5回 「認知症の心理学 ~『不可解な行動』には理由(ワケ)がある!」
認知症は多くの中高年の人々が恐れている病気ですが、周囲のことが何もわからなくなる、家族や周囲の人たちに迷惑をかけるなど、漠然としたイメージが先行しています。認知症の人の不可解な行動には理由があります。その理由を知ることで介護は楽になりますし、認知症のご本人も幸せに暮らすことができます。今回のセミナーでは、私たちの研究を紹介しながら、不思議な病気・認知症の人の心の世界について考えます。
佐藤 眞一(さとう しんいち)
大阪大学名誉教授
早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程満期退学。東京都老人総合研究所(現・東京都健康長寿医療センター研究所)研究員、明治学院大学助教授・教授、ドイツ・マックスプランク人口学研究所上級客員研究員、大阪大学大学院人間科学研究科教授を経て、2022年より大阪大学名誉教授。大阪府社会福祉事業団特別顧問を兼任。博士(医学)。元日本老年行動科学会会長、長寿科学振興財団理事、ホスピス財団理事なども務める。著書に『認知症の人の心の中はどうなっているのか?』(光文社新書)、『マンガ認知症』(ちくま新書)、『心理老年学と臨床死生学』(ミネルヴァ書房)、『心理学で支える認知症の理論と臨床実践』(誠信書房)など多数。